⼭梨の地域医療の現状
山梨県の医療圏
山梨県では、健康づくりから疾病の予防、治療、さらにはリハビリテーションまで一貫した包括的な保健医療提供体制の整備充実を図るため、「山梨県地域保健医療計画」(計画期間:平成25年度~平成29年度)を策定しています。この計画では、効率的な保健医療活動が行うため、二次医療圏(4医療圏)と三次医療圏(全域)を設定しています。
資料1 山梨県の二次医療圏
医療圏 | 市町村 |
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中北医療圏 | 甲府市、韮崎市、南アルプス市、甲斐市、北杜市、中央市、昭和町 |
峡東医療圏 | 笛吹市、甲州市、山梨市 |
峡南医療圏 | 市川三郷町、早川町、身延町、南部町、富士川町 |
富士・東部医療圏 | 富士吉田市、都留市、大月市、上野原市、道志村、西桂町、忍野村、山中湖村、鳴沢村、富士河口湖町、小菅村、丹波山村 |
医療施設数
平成24年10月1日現在、山梨県内における病院数は60施設で、人口10万人対では7.0施設(全国平均6.7施設)、一般診療所は682施設で、人口10万人対では80.0施設(全国平均78.5施設)と全国平均をやや上回っています。
資料2 二次医療圏別の医療施設数
医師数の状況
山梨県内の医師数は、平成24年12月現在、1,909人、人口10万人対では224.1人で、全国平均を10.5人下回り、全国30番目の水準にあります。
二次医療圏別では、中北医療圏282.9人、峡東医療圏186.4人、峡南医療圏114.3人、富士・東部医療圏137.4人で、著しい地域間の偏在が生じています。また、産科など特定の診療科の医師不足が課題になっています。
資料3 医師数の推移
資料4 二次医療圏別の医師数
救急医療の状況
救急医療については、病院前救護活動(プレホスピタルケア)を始め、市町村など身近な地域における初期救急医療から、手術や入院治療に対応可能な二次救急医療、より高度な救命救急を担う三次救急医療と、救急患者の症状に応じて適切な診療機能を有する宇医療機関で受診できるよう、体系的な整備を行っています。
山梨県においては、初期救急医療機関として在宅当番医制、休日・夜間急患センター、二次救急医療機関として病院群輪番制、三次救急医療機関として救命救急センターを整備しています。
また、平成24年から、救急医療体制の充実を図るため、救急医療用ヘリコプター(ドクターヘリ)を運用しています。
医療圏 | 中北 | 峡東 | 峡南 | 富士・東部 | |||||||
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地区 | 峡中 | 峡北 | 東山梨 | 笛吹 | 峡南 | 富士・東部 | |||||
甲府 | 中巨摩 | 中巨摩 | |||||||||
東部 | 西部 | ||||||||||
一次 救急 |
在宅当番医制 | 甲府市 医師会 |
中巨摩 医師会 甲府市 医師会 |
中巨摩 医師会 |
北巨摩医師会 | 東山梨医師会 | 笛吹市医師会 | 西八代医師会 南巨摩郡医師会 |
富士吉田医師会 | 都留医師会 | 北都留医師会 |
夜間急患 センター |
甲府市医師会 | ||||||||||
救急医療センター | |||||||||||
二次 救急 |
病院群 輪番制 |
県立中央病院 国立病院機構甲府病院 市立甲府病院 社会保険山梨病院 甲府共立病院 甲府城南病院 甲府脳神経外科病院 白根特集会病院 武川病院 山梨大学医学部附属病院 |
韮崎市立病院 塩川病院 甲陽病院 韮崎相互病院 |
加納岩総合病院 山梨厚生病院 塩山市民病院 牧丘病院 勝沼病院 |
一宮温泉病院 石和共立病院 笛吹中央病院 |
市川三郷町立病院 飯富病院 鰍沢病院 身延山病院 |
富士吉田市立病院 山梨赤十字病院 大月市立中央病院 上野原市立病院 都留市立病院 ツル虎ノ門外科リハビリテーション病院 |
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11病院 | 4病院 | 5病院 | 3病院 | 5病院 | 6病院 | ||||||
県立中央病院 山梨大学医学部附属病院 | |||||||||||
三次救急 | 救命救急 センター |
県立中央病院 |
小児救急医療の状況
山梨県の小児医療施設は、平成23年10月1日現在で、病院が29施設、一般診療所が29施設、人口10万人対では、病院が3.39(全国2.18)、一般診療所が3.39(全国4.25)となっています。また、小児科の医療施設従事医師数は平成14年から平成24年までの間に97人から119人へ22人増加しています。
山梨県では、保護者の不安解消と患者が集中する病院の小児科医の負担軽減等のため、県と市町村との共同により、甲府市と富士吉田市に、小児科開業医と大学や病院の勤務医が交代で勤務する、小児初期救急医療センターを設置し、小児救急の対応を行っています。
資料6 小児科を標榜する病院・一般診療所数(単位:施設)
平成17 | 20 | 23 | |||||
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実数 | 人口10万対 | 実数 | 人口10万対 | 実数 | 人口10万対 | ||
山梨県 | 病院 | 29 | 3.3 | 29 | 3.34 | 29 | 3.39 |
一般診療所 | 27 | 3.07 | 28 | 3.23 | 29 | 3.39 | |
全国 | 病院 | 3,186 | 2.51 | 2,932 | 2.31 | 2,765 | 2,18 |
一般診療所 | 5,481 | 4.31 | 5,411 | 4.26 | 5,381 | 4.25 |
資料7 小児科に従事する医師数(単位:人)
平成14 | 16 | 18 | 20 | 22 | 24 | ||
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小児科医師数 (実数) |
山梨県 | 97 | 100 | 109 | 105 | 109 | 119 |
小児科医師数 | 山梨県 | 10.9 | 11.3 | 12.4 | 12.1 | 12.6 | 14 |
(人口10万人対) | 全国 | 11.4 | 11.5 | 11.5 | 11.9 | 12.4 | 12.8 |
周産期医療の状況
山梨県内の分娩取扱医療機関は7病院8診療所の合計15施設で、平成16年の14病院10診療所の合計24施設から大幅に減少しています。医療圏別では、中北医療圏に11施設が集中し、峡東医療圏、富士・東部医療圏に各2施設、峡南医療圏は0施設となっています。
山梨県では、周産期医療に関する人的・物的資源を充実し、高度な医療の適切な供給体制を整備するため、6医療機関を、周産期母子医療センターに認定しています。
資料7 分娩取扱医療機関一覧
災害医療の状況
資料8 災害拠点病院等一覧
へき地医療の状況
山梨県内には、医療の確保が困難な無医地区が5市町村8地区、準無医地区が7市町村12地区あり、これらの地区は峡南医療圏、富士・東部医療圏に集中しています。
山梨県では、へき地における医療活動を継続的に実施する「へき地医療拠点病院」を指定し、無医地区・準無医地区の医療を確保に努めています。